出生前診断について~20代で染色体異常の娘を出産したわたしが想うこと~

目次

はじめに

この投稿の内容はわたしなりに調べた程度のものです。正確性を保障するものではありません。

出生前診断を受けずに出産したわたしが想うことを綴りますので、

この投稿で知らないうちに人を傷つけることもあるかもしれません。

ご了承いただける方だけ読み進めていただけますと、幸いです。

娘を出産する前の出生前診断に対する認識

正直なところ、20代のわたしには関係のないことだと感じていました。

実際に受けるには条件もあるようですし、条件には当てはまらなかったため受けるという選択肢は皆無。(当時2020年)

漠然と“結果を聞いて迷うくらいなら受けない方がいい”それくらいの考えでした。

そう思えたもきっと、心のどこかでわたしには関係ないし…という気持ちからだったのでしょう。

自分の娘が13トリソミーだと聞くまでは、本当に他人事だったのだと思います。

娘が生まれてすぐ染色体異常かもしれないと聞いたとき

正直、“何かの間違えであってほしい”と思いました。

妊婦検診でもずっと順調だったので、まさか自分の子が…という思いでした。

娘が生まれるまでの過程はこちらの記事をご覧ください。

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娘が生まれた日~染色体異常を疑われるまで~ たくさんメモに書かれていく単語。“先天性の病気” “横隔膜ヘルニア” “口蓋裂” “多指症” “重症” “早産” “低体重” “出血” “脳出血”“染色体の異常”ここで初めてこの言葉を聞いた。娘がたくさん抱えていたのは、これが原因かもしれない。ということ。

緊急帝王切開で娘を出産し、その後染色体異常の可能性についてお話をされましたが

先生たちはおそらく、手術直前の娘をエコーで確認した段階で疑っていたのでしょう。

娘が13トリソミーや18トリソミーの可能性があると聞くまで、染色体異常についてほとんど知りませんでした。

恥ずかしながら、染色体異常=ダウン症だと思っていたのです。

娘が生まれてすぐに先生が「ダウン症ではないと思います」と言っていたことを聞いて

染色体異常ではないのだと勝手に変換し、のちに反省したことを覚えています。

そのあと染色体異常にもいろいろと種類があることを知り、主な染色体異常は

21トリソミーのダウン症候群。18トリソミーのエドワーズ症候群、そして13トリソミーのパトウ症候群。

生まれてすぐに検査をしてもらい、結果が出るのは約2週間後。

心身共に疲弊していたわたしは、あまり調べずに結果を待ちました。

どんな疾患であっても、自分の娘は長く生きるのだと思っていたのです。

検査結果が13トリソミーだと説明を受けたとき

娘が生まれてから11日後に結果が出ました。

それまでの期間、わたしたち夫婦は娘の生命力を信じて前向きな治療をお願いしていました。

もちろん結果を聞いてからも夫婦の考えは変わりませんでしたが、漠然とした不安が重くのしかかりました。

わたしはいくら短命だと説明を聞いても、自分の娘は2歳、3歳と年を重ねていくのだと考えていました。

娘は普通の保育園には行けないだろうから、そういう子が通えるところはないかを探したり、治療費や環境を整えるにはいくらかかるかなどを調べたり…そういう心配をしていました。

今考えると、先のことより今できることをもっと考えればよかったと思います。

でも、あまりにも考える暇なく事が進みすぎて現実を受け止めきれていなかったのです。

看護師さんに「つらいよね」と声をかけられても、

“何がつらいの?娘がこんなにがんばってくれているのにつらいはずがない”と心のなかでつぶやいていました。

夫は、ちゃんと理解していました。わたしだけが受け止められずにいたのです。

娘は生まれてすぐに脳出血の手術をしましたが、無知だったわたしたち夫婦は高額な医療費を覚悟して娘の手術の同意書にサインしていました。自分が退院する際の支払い時に娘の医療費に関する説明を受けて公的制度に申請し、負担はほとんどありませんでした。

出生前診断についての現在の考え

わたしは娘が染色体異常だとは知らずに出産にしました。

もし、事前に出生前診断でわかっていたら出産するまで神経をすり減らして生活していたと思います。

わたしは娘が染色体異常だと知らずにマタニティライフを送ることができたから

娘がお腹にいる間、コロナ禍で制限はありましたが心穏やかに過ごすことができました。

お腹の中にいた娘にとっても良かったと思います。

ただ、これはたまたま34週で先生に異常を見つけてもらい、先生方の迅速な対応で病院を移らせてもらって娘を設備の整った病院で診てもらえたから言えることです。

もし知らずに予定通りの産院で出産していたら、娘との23日間はなかったでしょう。

出生前診断は、ある人にとっては安心材料。

またある人には不安材料にもなり得る検査だということを覚えておかなければなりません。

結果によっては生まれてくる赤ちゃんの状態に備えて産院を変えることになるかもしれません。

出生前診断についていろんな意見があることを目にします。

でも、わたしは悩む人の数だけ答えがあるのだと思います。

きれいごとに聞こえるかもしれませんが、ほんとうに。

結果次第では当事者にならないとわからない悩みや辛さがあると思います。

周りがとやかく言えることでもありません。

わたしは娘が13トリソミーだと聞いた時、家に連れて帰ることが目標だったので、

わたしの時間はすべて娘に捧げる覚悟をしなければいけないと思いました。

でも、ふたり目の子どもだったとしたら考え方はまた変わっていたかもしれません。

その時、その場面、その人の立場になってみないと想像できないことがたくさんある繊細な問題だと思います。

もし身近にこのような悩みを抱えている人がいたら、私が掛けてあげられる言葉はただひとつ

“あなたの考えを尊重します”

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